白内障について

当院での白内障手術

手術室
【手術室】

当院では、今までは白内障手術ご希望の方は他の施設に紹介していました。今後も患者さんのご希望の施設に紹介するのが基本です。
ところが、開院して30年近くたちますと次のような患者さんも多くなっています。

  • 当院でなら手術を希望するが他の所に行ってまで手術を希望しない。
  • 見えなくて不自由を感じるが手術は恐いので希望しない。
  • 高齢なので諦めている。
  • 身内の介護で忙しく、自分のことは後回し。
  • 車椅子なので手術後の通院は無理。

このようなご要望に応えるために、地元で白内障手術できる体制を整えて、H29年12月より白内障手術をスタートいたしました。手術室新設のための設計・打ち合わせ・工事に3ヶ月以上かかり、主に休診日や昼休みを使っての工事でした。時々診療中に騒音が気になるときもありましたが、地域振興のためと患者さん方もスタッフも我慢してくれたことに感謝しております。
現在、一年間に350件以上の白内障手術を行っています。手術希望者が更に増えるようでしたら、手術日を増やすなど柔軟に対応していこうと思っております。手術希望者の平均年齢が75歳位ですので、全身状態も考えて慎重に白内障手術を続けて行ければと思っております。

白内障手術の実際の手技

  • 麻酔は点眼麻酔のみです。
  • 眼の切開も昔のように大きくしません。まるで内視鏡手術のように2mmくらいのトンネルをあけるだけです。大きく切らないので麻酔注射もせずに痛くなく、この小さなトンネルに細いストローのような器具を挿入して、水晶体の濁った部分を乳化して吸い出します。そして、きれいになったスペースに、あらかじめ眼内レンズが折りたたんでセットしてある先端が2mmの細さの器具をトンネルから眼内に挿入します。眼内レンズは、眼内に入った後、自然に眼内でいい具合に広がります。
    一昔前のように大きく角膜切開をしないので、日帰り手術が安全にできるようになりました。
  • この一連の手術は、滅菌した手術室にて徹底した消毒後に、すべて顕微鏡下で行われます。
  • 白内障手術は、決して簡単な手術ではありません。顕微鏡や超音波白内障装置などの手術器械の急速な進歩と、眼内レンズを小さく折りたたんであるプリセット眼内レンズの進化と、眼内レンズ度数を手術前に正確に測定できる器械の進歩が著しく、また、医者の絶え間ない手術技量の向上によって、徐々に安心安全に手術ができるようになってきていると思います。
  • 当院では、無理に白内障の手術をお勧めしません。ご本人が手術するほど不自由を感じ、手術を希望される場合に限ってご提案させて頂きます。ただ、水晶体の濁りが強くなりすぎますと、昔通りの眼を大きく切開する入院手術しか選択できないことも多く、ご自身の白内障の程度を知るための定期的な眼科受診は必要だと思います。他施設への紹介状も、今まで通りにお書きしますので、ご安心ください。
  • 急性緑内障の予備軍や慢性緑内障を合併している場合の手術時期の自己判断は、非常に危険ですので、適切なアドバイスをさせていただきます。
  • 術前の眼内レンズの度数決めが、とても大切ですので、当院では最新の光学式測定装置IOLマスター(ツアイス社)を導入しています。術後のピントをどこに合わせたら、その人にとって幸せなのかを一緒になって考えて、術後の度数誤差が無いように細心の注意を払います。
  • 料金は全て保険内料金です。自費診療の多焦点眼内レンズは、扱っておりません。
  • 手術時間は10分~20分位です。症例によって早くなったり遅くなったりします。その理由は、眼の中のチン小帯という組織が高齢者の場合は弱っていることが多く、安全に手術を終えるために、特に時間をかけて慎重に手術をしなければならないことがあるからです。
  • 当院では、手術直後から眼帯はしないで、見える状態で透明な保護眼鏡をして帰宅してもらっています。手術した眼が見える状態で帰宅できるので転倒防止につながり、ご高齢者に配慮しています。点眼は1~2ヶ月して頂くようになります。
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